哲学は難しくないよ

こんにちは、東京・アマーリエのティーチャー
上野香緒里です。

私は現在サロン&スクール業と平行して、大学院で西洋哲学を研究中。

いきなり自分の話からはじめてしまい恐縮ですが、私にとってはオーラソーマと哲学は(すべての側面ではないにしろ)本質的には同じものです。

もともと世界や人間や人生についていつも考えているようなところがあり

「人生の目的は何か」
「どうすれば幸福に生きられるのか」
「どうすれば世界は平和になるのか」

そういうことに子どものころから思いを巡らせていました。

それが高じてスピリチュアルなことをはじめたり、哲学をはじめたりしたのだと自分では思っています。

今、オーラソーマと哲学を平行してやっていて、それは私からすると同じことを実践している感覚であり、同じ目的を持っているなかで手段が違うだけだと感じます。

ただ多くの人にとって哲学は「難しい」というイメージがあるのではないでしょうか。

哲学書は分厚くて、難解で、見たことのない漢字がたくさんならび、挿絵もない。

たしかにそうかもしれません。

私も哲学書はサービス精神がないなと思います(笑)

でもそれはそれでいいのです。

哲学は文学ではないし、哲学書は小説とは違いますから。

哲学書では、人間性や心や神といった抽象的なものを言葉で説明しなければなりません。

専門性が高くなるほどに一般の人には難しくなるのは、どんな分野でもいたしかたないことですが、哲学の場合は語る対象が抽象的なので、なおさら難しいかもしれません。

それに哲学で大事ことのひとつは論理的な整合性があるかどうかであり、文章としてのわかりやすさや(文章力)や美しさは求められません。

しかし、そういった表面的な部分に囚われず、その本意(その哲学者が何を言いたいのか)を丁寧に読み解いてみれば、決して難しいとはかぎらないし、わからないわけではないのです。

たとえば18世紀のドイツ人哲学者・カント。

カント以降、現代に至るまで、カントに影響されていない哲学者や思想はないと言われるほど、哲学界に多大なる貢献をした大哲学者です。

カントの著作は特に難解だと言われていますが、カントの最も有名な哲学理念のひとつにこんなものがあります。

「汝の意志の格律が常に同時に
 普遍的な立法の原理として妥当しうるように行為せよ」
 
・・・なんのこと言ってるの? と思う人が多いんじゃないかと思います。

解読してみます。

まず「格律」

これはカントの哲学用語で「各人の採用する主観的な行為の規則」のことです。

これも少し難しいかもしれませんが要するに、「自分の行動に関して自分では、それが正しいと思っているルール」のことです。

これを踏まえて先ほどの理念を読み解くと

汝の意志の格律が(あなたが自分ではそれが正しいと思っていることが)

つねに同時に普遍的な立法の原理として(常に同時にすべての人にとって共通の正しさとして)

妥当しうるように行為せよ。(適切であるように行動しなさい)

もっと砕けた言い方をすれば

「自分が正しいと思っていることが、
 すべての人にとっても正しいと思えるような行動をとりなさい」
 
ということになるのです。

ね、とくに難しいことを言っているわけじゃなくないですか?

※このように結論できる根拠のことなど、本来はこの言葉の背景まで考慮する必要があり、カントの意図を踏まえればもっと深い意味がありますが

これをもし子どもに聞かせるとしたら

「自分勝手なことをしないで、まわりの人のことも考えなさい」
「自分だけ楽しいよりみんな楽しい方がよくない?」

とか、アレンジできますね。

また私は、カントのこの理念はオーラソーマにも同じ意味のものがあると考えます。

それは

「小さな意志を手放して、より大きな意志を生きる」

ではないでしょうか。

これもオーラソーマを知らない人にすれば、意味がわからないですよね、きっと。

個人としての自分の意志だけを自分と捉えていると、その意志は他者と切り離されて、自分勝手なエゴになる可能性があります。

けれど私たちはそれだけの小さな存在ではない、私たちの内には、みんなひとつであるというONENESSの意志があります。

「小さな意志(エゴ)」を手放して「大きな意志」に心を開いていくことが平和への道なのです。

自分だけ から みんな へ。

この点でカントとオーラソーマは、同じようなことを語っているわけです。

「汝の意志の格律が常に同時に
 普遍的な立法の原理として妥当しうるように行為せよ」

「小さな意志を手放して、より大きな意志を生きる」

「自分だけ楽しいより、みんな楽しい方がよくない?」


・・・これ、どれも同じような意味だっておもしろくないですか(笑)

一見まったく違うように受け取られそう。

このように哲学は言葉や文章は確かに難解な側面もありますが、その内容は、多くの人にとって、一度は考えたり聞いたりしたことがあるような、つまり身に覚えがあることである場合も多いのです。

しかも、とても深く突き詰めているので、知ってみれば大変実生活に役立つものばかり(かも)なんですよ。

上野香緒里 プロフィール

オーラソーマスクール&サロン「アマーリエ」代表
英国公認オーラソーマティーチャー/レベル3(上級)
リコネクションプラクティショナ-/レベル1・2・3
奇跡のコーススタディティーチャー
コズミックダイアリー(13の月の暦)講師
ユニオミスティオイルセラピスト、レイキヒーラー

HP:http://www.amarlie.com
FaceBook:https://www.facebook.com/amarlie.co.jp
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