ネーム オブ イクイリブリアム(ボトルの名前)

ネーム オブ イクイリブリアム(ボトルの名前)  皐夏由貴
        “物の名前”を知るということは、現れの世界の「成り立ち」や「経緯」、つまり歴史を知ることととても密接に関わっていると思います。
例えば、百万年前の地球に今われわれが日常接しているような様々な“もの”が存在していなかったことは確かでしょうね。
たかだか十年前を考えてみてすら、現在存在している“もの”のなかで、かなり多くのものが存在していなかったことは容易に推測されます。
“物の名前”は、そのモノが誕生したとき、あるいは認知されたときに、そのモノが存在していなかった世界の言葉のなかから連想されたり転用されたりして、名付けられるのだと思います。
“物の名前”をつけるということは、大袈裟な言い方をするなら、そのモノが存在していなかった言語空間のなかでそのモノの特徴や価値や定義を定め、それをその言語空間に追加していく作業だということになるでしょうか。
考えてみると、人間が向かい合っている現象世界はすべて、そのようにして創造されてきたわけでしょうね。
真面目な言い方をするなら、現象世界の歴史とは、過去のたくさんの方々の思いが織り込まれた壮大な緞帳のようなものかもしれません。
だから、この世界は、多くの方々の思いがこもった大切で貴重な世界だとも言えるでしょう。
でもまた、あまりにも真面目にその世界のあり方を信じすぎると、その世界の拘束がきつくなって、そこから抜け出せないような息苦しさを感じるのも事実です。
本当は、世界はそれほど確固としたものでもないかもしれませんね。(^^)
なぜなら、まったく逆の観点から見るなら、現象世界とは単にすべてそのときどきの思いつきから編み出され、それを継ぎ足してきただけの、ただの想像された世界にすぎないとも言えるわけですから。
すべてはただの思いつきだったと覚えていることも、もしかしたら大切かもしれません。
ちょっと、“物の名前”から脱線してしまいました。(*^_^*)
というわけで、“物の名前”をつけるということは、そのモノの定義を定め、そのモノの運命を決めていくような面があります。
オーラソーマボトルの場合、個々のボトルはどのような思いを込めて、その名前がつけられているのでしょうか。
ボトルの誕生に立ち会うマイク・ブース氏の独自コースに「ネーム オブ イクイリブリアム」というのがあるそうです。
今回は、日本で初めてのそのコースに参加された皐夏由貴(さわなつゆき)さんの記事「ネーム オブ イクイリブリアム」から最初の部分をご紹介しましょう。
         ——————————————————————– マイク・ブース氏が2000年11月に来日された折、ネーム オブ イクイリブリアム(ボトルの名前)というコースが東京で開催されました。 このコースは世界の他の国でもほとんど開催されたことがなく、今回の東京でのコースが全世界で2回目の開催(1回目はデヴオーラで開催)でした。 その点で今回のコースの参加者はとても幸運だったといえます。
このコースの狙いと意味づけですが、オーラソーマに携わっていく私たちが、 ボトルの名前を通してボトルのエネルギーの理解をもっと深めること、色の言語から学ぶよりもさらに深いレベルについて触れることにあります。 ボトルに限りませんが、何かに名前をつける、ラベルづけをすることは、そのものと名前を同一化することです。 それにより、名前は名づけられたもののエネルギーを持ち運ぶようになります。 例えば、花の名前を知っていることはその花のエネルギーを知っていることにつながり、誰かの名前を知っていることはその人のエネルギーを知っていることにつながっていきます。 ですから、ボトルの名前を学ぶことは、そのボトルのエネルギーを知り、これまでとは違ったオーラソーマの見方をひも解いていくことになるのです。
もうひとつ、オーラソーマは西洋で生まれ、西洋の文化の中ではぐくまれてきたものですから、ボトルの名前にもそのようなバックグラウンドと密接な関係を持つものが多数あります。 日本人がボトルの名前について学ぶことは、そうした西洋文化のバックグラウンドに触れるという意味で、他の国の人たちが学ぶのとは別の重要性があるといえます。
コースの初日にマイクは「皆さんの仕事は、私がボトルの名前について話した ことと、皆さんが既に知っている色の理解とを結びつけていくことです。」とコメントされ、私たちが自分自身ですべきことを明確にされました。
コースは、1本1本のボトルについて、B0からB100まで順番にマイクがコメントをつけていくというやり方で進められました。 3日間のコースで101本のボトルについて見るわけですから、時間的な制約はかなりありました。 ですがすべてのボトルについてマイクからコメントをいただけたことは、今後私たちが自分自身でボトルの探求を深めていく上でとても大きな助けになると思います。

                 『リビング・エナジー』Vol.5(p73) ——————————————————————–
なるほど……。
西洋の“魔法の世界”の伝統では、“名前を知る”ということに特別の意味があるのだそうですね。
人間の創造力はあまりにも強力なので、想像し、定義したことが“現実”になるからではないでしょうか。
pari 記
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