【色彩学の大家ニュートンとゲーテ】:『はじめてのオーラソーマ』第286号

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はじめてのオーラソーマ No.286 2021.7.23

みなさん、こんにちは。

えつこです。

今回も「はじめてのオーラソーマ」をお読みいただき、ありがとうございます。

前回のぱりさんのお話は【色彩波動レッドの響き】でした。

まだお読みでない方は、こちらからご覧くださいね。

 

今回のテーマは、【色彩学の大家ニュートンとゲーテ】についてです。

みなさまは、ニュートンとゲーテはご存じですか?

私は、「教科書に出てきた人」くらいの記憶しかありませんでした。

しかし、オーラソーマを学んでいる間に、ニュートンとゲーテについて調べる機会がありました。

新ボトル「B120 ペルセポネ」が日本に到着

 

以前にあったシステムですが、オーラソーマのレベル4(当時、ティーチャーになるために必要でした)で“色彩の歴史”について提出する必要があり、がんばって資料を読んだことを覚えています。

余談ですが、最近、新しいことをはじめるにあたって調べものをする機会が多いのですが、“知識と感性は両方の翼である”ということをしみじみ感じています。

やはり、多少は概要がわかっていないと、感覚だけではまったく訳がわからないですね。

我流もいいけど、基礎知識も大切です。

そのときはレベル4のためでしたが、なんでも基礎を知っておくことは全体の助けになります。

色彩心理学について知りたい方は、今回のぱりさんのお話を参考にしてみてくださいね。

それでは、【色彩学の大家ニュートンとゲーテ】をお読みください。

えつこ

 


色彩心理学としてのオーラソーマ:

          第5回【色彩学の大家ニュートンとゲーテ】


 

これまでオーラソーマを

色彩心理学という観点から見直してみるために、

かなり息せききって

聞き慣れない言葉や宇宙観をご紹介してきました。

そして、ここにきて、

ハタと思い当たりました!(@_@)

息せき切って、突っ走ってきたはいいけれど、

もしかして、そのため読者の方々に

いったい何を話しているのか、わからない!(?_?)

という??????の感じを

もたせてしまっているのでは・・・!(@_@)

と思い至りました。

それに第一「色彩心理学」っていったい何?

という話もありました。

これに関しては、

「色彩心理学」という領域自体が

まだ研究されはじめてから歴史が浅いことも関係あります。

色彩の科学的研究のエキスパートであった

アメリカのフェイバー・ビレンfaber birren

(1900-1988)がシカゴではじめて

「カラーコンサルタント」を名乗り、


色彩心理の専門家として大企業や政府機関のコンサル活動を開始したのは1930年代のことです。

その意味ではまだしっかり学問として確立した

分野とは言えない面もあり、

現在まだ“構築中”の学問領域かもしれません。

色彩現象は目に見える世界のすべての体験に関わるので、

人間心理に及ぼす影響はじつに広範で多彩です。

色彩は人の感情に影響を与えます。

色彩は人の感覚や判断に影響を与えます。

色彩は肉体にも影響を与えます。

とはいえ「色彩心理学」自体はまだ目新しくても、

目に見える森羅万象はすべて色彩現象ですから、

「色彩」の利用や色に対する関心自体は

もちろん、とても古くからあります。

色の研究は紀元前400年ころ、

古代ギリシャの哲学者プラトンや

弟子のアリストテレスの時代からはじまっています。

アイザック・ニュートン
 

そして色彩の科学が大きく展開したのは、
1666年、太陽光をプリズムで分光して
光のスペクトルを発見していた
イギリスの物理学者アイザック・ニュートンが、
1704年その著『光学』を発表したとき
と言えるでしょう。

 

このとき現代に至る色彩の物理学的研究が
はじまったわけです。

ドイツの文豪ゲーテ
その著『色彩論』を発表したのはその一世紀後、
1810年のことでした。

そういうわけですから、もちろん、
ゲーテはニュートンの『光学』を知っています。

それどころか
ある意味で『光学』に対する強い反感をバネに、
『色彩論』を書き上げたとさえ言えるようです。

 

人間の色彩体験の本質は
客観的に計測できるようなそんなところにはない。

色彩体験の本質は「色彩の感覚的精神的作用」にある、
という強い思いがゲーテにはありました。

ゲーテは自分の文学作品についての批判には
ごく寛容だったそうですが、
ただ色彩論に対する批判にだけは
きわめて頑固に自説を主張したそうです。

『ゲーテとの対話』で有名なエッカーマンには
「今世紀になって色彩論という難解な学問にあたって
 正しいことを知ったのは私ひとりだということは
 私のいささかの自慢にしていることだ」
と述べたそうです。

とはいえ、当時はすでにニュートンの理論が確立されており、
文豪の名声をほしいままにしていたゲーテが
これほどの思いを込めたこの『色彩論』だけは
ほとんど一顧だにされませんでした。

ゲーテの大冊『色彩論』の本論は、(これは「ちくま学芸文庫版」だと訳注、あとがきまで含めて515ページにもなります)『色彩論』

彼が仕えていたワイマール公国の
大公妃殿下へのご進講の体裁を取っていたため、
「教示編」と記されています。

この「教示編」

「第一編 生理的色彩」、「第二編 物理的色彩」、「第三編 化学的色彩」の三編に分かれているのですが、分量的には「物理的色彩」が半分以上なのです。

ところが
この過半を占める「物理的色彩」の内容に、
ニュートンの『光学』の内容に対する
明らかな無知や誤解が含まれていたものですから、
当時の物理学者たちからは完全に黙殺されました。

無理からぬこととしか言いようはありません。

このゲーテの『色彩論』を締めくくるのが
「第六編 色彩の感覚的精神的作用」です。

ゲーテは色彩現象が人間の感覚・認識・感情に及ぼす
作用の全容を探求しようとしたわけです。

ニュートンの場合は
プリズムを道具として使って太陽の光をスペクトルに分散し、
色彩現象のなんたるかを客観的に解明してみせたのでした。

ゲーテはその百年後に、そのプリズムを通して自分の目で世界を見たようとしました。

自分がそこでどんな体験をできるのかを
確認したかったからです。

もしニュートンが色彩現象に対して取った態度を物理学的・客観的方法と言うとしたら、ゲーテが色彩体験に向かった態度は現象学的・主観的方法とも言えるでしょう。

prism

 

ニュートンは色彩現象を客観的に説明し、
それを完全に再現できることを目指したわけです。

それに対してゲーテは、
色彩現象というものの本質はなんなのか?

そこで人間は実際には何を体験しているのか?

その体験内実を探求しようとしたわけです。

これが両者の決定的な立場の違いでした。

しかし、このゲーテの『色彩論』は、
わずかの神秘家や思想家などの熱い注目を除けば、
以後長く注目されることはありませんでした。

ゲーテ的な色彩論が再び注目されるには、
物理学の世界に量子論的世界観が入ってくるまで
待たなければなりませんでした。

オーラソーマはこのゲーテの『色彩論』の
伝統を引き継いでいると言われます。

たしかに、そのとおりだと思います。

とはいえ、ゲーテが『色彩論』において描いた
赤・橙・緑・青・菫の6つの基本的色彩を配置した
いわゆる色相環の配列と、


オーラソーマの「カラーローズ」は、
色の数だけでなく、配置の回転的位置関係も
またその背景にある思想も
けっして同じではありません。

カラーローズ

でも、オーラソーマの創始者の

ヴィッキーさんは

たしかに「カラーローズ」という図式の啓示を受け取ったわけです。

そのインスピレーションがどこからどのように
ヴィッキーさんに渡されたのかは
知る由もありませんが、

 


この二つの色相環の図式の違いの背後には、
明らかにそれが象徴する思想の違いがあると
考えられるのです。

そんなことを含めて、
このシリーズではこれから
ときに応じてさまざまな話題も交えながら、

【色彩心理学として見たオーラソーマ】という観点の
記事を書いていきたいと思っています。

これからの話題の質や幅を広げていけるように
今回は少し仕切り直しをさせていただきました。

また次回も楽しみにしていただけたらと
思っています。

m(_ _)m

pari 記

 


 
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