「やさしいだけでいい」(赤松陽子さん)

人生を生きるためには、私たちはどうしても誰かにならなければなりません。

こうして成人して社会生活を営んでいる今となっては、自分が誰でもなかったことなどもう思いだすことすらないでしょう。

でも、実際は私たちは誰でもなかったのです。

なぜなら、自分が誰であるかを知らないところから人生をはじめたことは、紛れもない事実だからです。

私たちは間違いなく、まず言葉を(日本人である私たちの場合は日本語を)覚え、その言葉を使うことによって自分が誰であるかを学習して、この人生を始めたのでした。

単純に言って、日本語を学習しなければならなかったということは、私たちは少なくとも日本人ではなかったということです。(*^_^*)

もちろん、日本人であるという役柄をまとうだけではなく、名前、家族、社会環境などといった、たくさんの周辺情報を学習し、その立場の演技に習熟することで、今の自分になりきったのでした。

それがこの人生(というドラマ)に入るための必須条件でした。

そして、今やすっかりそのドラマの登場人物になりきって、自分が誰でもないなどということを思いださないどころか、今や想像すらできないほどになっているわけです。

私たちがなりきったこの誰か、この役柄は、人格としてたくさんの“べし”を抱えています。

早い時期に自分のあるべき姿を条件づけられ、そのあるべき姿を実現するための戦いがこの人生だというわけです。

その“あるべき姿”は大なり小なり簡単には達成できないように設定され、また再設定されます。

というのも、“簡単に達成できる”ことは、すぐに達成の評価から外されていくからです。

この方式で走り続ければ、ほとんどの人が現状の自分をそのまま認めて愛することは難しくなります。

今回ご紹介する赤松陽子さんの場合もその例外ではなかったようです。

その赤松さんがラハシャのコースのなかで聞いた自分の本心の声を伝えてくださっています。

では記事「ラハシャのカウンセリングスキル アドバンスコースに参加して」から、そのあたりに触れた部分をご紹介しましょう。


最初のワークはハートチャクラ

ラハシャのコース当日。
なぜかこの日も風邪気味でせきが出る状態でした。
心のワクワクとは違い、身体はヨレヨレで座っているのもやっとです。
コース中の瞑想でも、右膝から腰、右肩胛骨、右肩と激しい痛みがあったので、その痛みと共に過ごし、痛みの理由を聴くということをやっていきました。

そこで感じたのは、あせりと怒り。

過去の出来事や過去生からくる感情の掃除は徹底的にやったつもりでしたが、まだまだ残っているものがあり、痛みとなって現れてきていました。
そのことに気づいた途端、痛みはスッと肩から抜けていったのですが、翌日また現れ、結局6日間、いろいろな痛みに出合うことになりました。

ラハシャのアドバンスコースは、ハートを感じること、ハートで瞑想することからはじまりました。
チャクラの色の順番からすると第一の赤から始まりそうな気がしますが、「何よりも、ハートで感じ、ハートで伝えることが大切」というラハシャの想いがここにあらわれていると思います。
サイキックエネルギーをハートを通さずに使ってしまっている例は、今も世界中のあちこちで見られることでしょう。
しかしそれは、本当の癒しにはならないことを、私たちの魂は過去の学びから知っています。
そのことをもう一度確認するためにハートのワークに時間をかけることはとても重要だと思います。
私たちは2日間、ハートチャクラを感じ、安心してハートを開くワークをしました。

このとき私の中から聞こえてきたのは、
「やさしくていい」
という言葉でした。

この言葉が聞こえてきたとき、スゥーっと涙が頬をつたいました。
子どもの頃からずっと、「やさしい=弱い」というイメージがあって、やさしいという言葉にとても抵抗していたような気がします。
どんなに「やさしくていいのよ」と言ってやっても本当には受け入れられない自分がいました。
「人は、強くなければいけない。やさしいだけでは生きていけない?」
いつの頃からかそう言い聞かせていたのです。

「やさしいだけでいい。
 何ができなくても、やさしいだけで素晴らしい」
その言葉を受け取ったとき、涙が溢れだしました。


そして、私のまわりにいる人たちの顔が次々に浮かんできました。
みんなやさしく微笑んで見守ってくれています。

「私は、なんてやさしい人たちに囲まれているのだろう」これはとても大きな気づきでした。
私が出逢った人たちは、みんなすばらしくやさしいエネルギーをもっていたのです。

「もっとこうだといいな」「どうしてそうできないんだろう」と、いらだつ気持ちやあせる気持ちがあったのは、自分のなかのやさしさを認めていなかったから。

それは、もう何年も前に気づいていたことでした。

しかしまだ、自分の中の奥深くで共鳴していなかったのでしょう。
今回、溢れ出した涙と共に受け取れたことに本当に感謝しています。

「ラハシャのカウンセリングスキル アドバンスコースに参加して」より
『リビング・エナジー』Vol.5(p78)



【「やさしいだけでいい。
  何ができなくても、やさしいだけで素晴らしい」
 その言葉を受け取ったとき、涙が溢れだしました】

「やさしさこそ人の宝」、ある先達からそんな言葉を伺ったことがあります。

pari 記

 

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