ゴールド・ヒル

ゴールド・ヒル
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』:「9 ゴールド・ヒル」から                         ヴィッキー・ウォール
        あれほど仕事への復帰を望んでリハビリに精を出していたヴィッキーさんでしたが、ついにくる時が来て完全失明にいたってしまいましたね。
もうそうなっては車の運転もできませんし、キングズランサムのクリニックは維持できません。
(というか、これまでの状態で車の運転をしていたのだとすれば、そのほうが驚きとも言えますが……。)
ヴィッキーさんとマーガレットはキングズランサムを手放すことにします。
せっかく授かり、これまで丹精してきたあの花園を手放すのはつらかったでしょうね。
われわれは外から映画を見ているようなものですから、これからヴィッキーさんの人生にどんなことが起こるのかをおおよそ知っています。
でも人生の登場人物にとっては、次に何が起こるかはわかりようがありません。
何が起ころうとも、実際はどうすることもできないんですよね。
次の住処を探していると、長年の付き合いの家政婦のフィリスがなにやらいい話を持ってきてくれたようです。
人生って、ほんとに人との出会いで成り立っているんですね。
        ——————————————————————– 他の合併症に加えて、失明という問題を抱え、まもなくマーガレットと私は、「キングズ・ランサム」を維持していけないことがはっきりしました。 私はもう車の運転もできなくなったし、助けを頼むのも難しかったのです。
いやいやながら私たちは引退を余儀なくされ、手頃なバンガローを探し始めました。 私たちだけで維持できる大きさで、店や人々からもそれほど離れていない家 です。 天から授かった「キングズ・ランサム」は、今や昔話となりました。 これはせりにかけて、大金を積んだ入札者に売る、というものではありませんから、人選びは念入りにしました。 結局私たちは、神に中心を置いた、そこを本当に愛している以前の患者さんに売りました。
私たちは、自然と深いつながりを感じていましたが、かといって、あまりに引きこもるつもりもありませんでした。 ちょうどその頃、私の信頼する友であり、三十年来の家政婦であったフィリスが、ゴールド・ヒル共有地の頂上にある、チャルフォントの小さな店を退職するところで、その店の上のアパートは広々として、共有地全体が見下ろせました。 緑一面のその広大な風景は、私たちが「キングズ・ランサム」で楽しんでいた草原を思わせました。 アパート自体はしばらく誰も住んでおらず、修繕の必要があり、それには結構なお金がかかりそうでしたが、平和と祈りに満ちた気持ちのいいところでした。 私たちが修繕の必要性を感じる唯一のものは階段だったのですが、それも椅子型リフトを備えつけることで、解決できました。 フィリスは、また私と一緒になれたことを喜んでくれました。
私たちは、綿密に計画を立て、ベッドルームから広いバルコニーへとまっすぐ出られるようにドアを取りつけ、そこに中庭をつくりました。 夏になったらドアを開け放してベッドに横になると、まるで、かつて愛した庭にもう一度いるような感じが味わえる、というわけです。 スイートピーやスイカズラ、クレマチス、ふじ・・こうした花たちが、この小さなルーフ・ガーデンを占めました。 それはすぐに色彩の洪水となり、私たちを楽しませてくれることでしょう。
      『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p70-71)
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ヴィッキーさんは住む場所に恵まれるタイプの方だったようですね。
「キングズランサム」にしろ、今度の「ゴールドヒル」にしろ、ヴィッキーさんの言葉のせいもあるからかもしれませんが、とても美しいところのようですね。
というか、ヴィッキーさんたちがそういう景色のいいところを選ぶわけですね。(^^;)
pari 記
       
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