花粉症 塗るだけ聴くだけ免疫療法──レンコンとモーツァルトで治す

花粉症とオーラソーマ
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オーラソーマを少し習った方なら、花粉症といえばホワイトポマンダーが頭に浮かぶことでしょう。
花粉症に悩まされる季節になると、この症状をなんとかしたいと思うので、つい「花粉症」という言葉に目がいくのですが、花粉症にはレンコンとモーツァルトがよいというタイトルの本を見つけて、「え? なんで?」と思って読んだところ、これがなかなか面白い本でした。
面白い、というのは、花粉症についてきちんと医学的説明もしてあって、それが文化的な背景もあり、また現在、文明病的な側面もあることが書かれておリ、花粉症という現象からいろいろなことを考えさせられたからです。
こういう根本から考えると、オーラソーマも、レンコンとモーツァルトが効く原理を応用すれば、ホワイトポマンダー以外にも役に立つこともあるはずだ、ということもわかってくるわけです。
なにごとも根本から考えてみることが大切ですね。
それに、この本には、以前疑問だったことも書かれていて、それがわかったのも嬉しいことでした。
それには、花粉症の歴史とも関連していたのです。
花粉症というのは、英語ではヘイフィーバー(枯れ草熱)と辞書にあるのですが、どうして花粉症が枯れ草熱なのか? と、いつも疑問だったのです。
それは、さかのぼること180年、イギリスで牧草に用いる枯れ草を吸う農夫のあいだに、くしゃみや目のかゆみを訴える人が大勢おり、当時、その不快現象が枯れ草で生じるという意味で、枯れ草熱(ヘイフィーバー)と呼んだそうなのです。
それもイネ科の植物の花粉が原因で生じた花粉症だったわけです。
日本で最初に報告された花粉症を引き起こす植物は、アメリカの進駐軍が持ちこんだとされる帰化植物のブタクサだそうですが、現在、花粉症の原因植物の第一位であるスギ花粉による花粉症は、1964年に栃木の日光市ではじめて観察されたそうです。
そして、日本では花粉症の80パーセントがこのスギ花粉によるものだそうです。
そうなるとスギが悪い、と短絡的に思ってしまいそうになるのですが、実はそこにも背景があって、もともと日本ではスギは美林として大切にされてきた歴史があるのですが、戦後は国土復興のために、植樹祭のあるたびにスギが植林され、それが50年以上も経過し、現在、当時植えられたスギが立派に生長して開花適齢期の大木となり、それがいっせいに開花して花粉を撒きちらすわけです。
しかしその背景には、新建築材の開発や安価な外国木材の普及によってスギの木が建築に用いられなくなり、使用されないスギは、枝打ちなどの手入れが行われずに放置されているという現状もあるようです。
なかなか根が深い問題ですね。
スギ花粉症が見つかってわずか40年あまりのあいだに、今や花粉症は国民病とまで言われるようになりました。 しかし、背景には単にスギ花粉の増加だけではなく、さまざまな原因があるようです。
それには大きく6つに分類されるようです。
一つ目は、スギ花粉などの植物花粉の急増
二つ目は大気汚染の問題。 車の排ガスやディーゼル車のDPEは有名ですね。
三つ目は現在人の食生活。食事が欧米化して、肉類や卵、牛乳などの動物性脂肪、高たんぱく、高カロリーの植物を多く摂取するようになったこと。そして、農薬や食品添加物の問題。
四つ目は現在人の住宅環境の変化。カーペット絨毯、チリ、ダニ、カビ、ハウスダストなどのアレルギーを引き起こす抗原の増加など。
五つ目にはコンクリート社会、アスファルト社会の出現と拡大。 これによって花粉などのアレルゲンが土のなかにしみ込んでいかないわけです。
そして六つ目の原因は、現在社会におけるストレス過剰の生活習慣。複雑な人間関係、いじめ、リストラ、生活不安、組織への不満などの精神的ストレス、通勤、過労、睡眠不足などの肉体的なストレス・・・。
このストレスが交感神経を強く緊張し顆粒菌を増加させ、その結果、活性酸素によって鼻や粘膜が炎症を起こしやすくなり、花粉への感受性を高める、というメカニズムがあるようです。
さて、花粉症のあなたはどれが原因でしょう?  今、花粉症でない人も、いつ花粉症になってしまうかもしれない可能性があります。
そもそも、花粉症というのはアレルギーという過敏症の一種で、もともとは寄生虫や微生物を排除する免疫反応のメカニズムで、人間の身体を守る仕組みなわけです。
それが異常になっているのは、アレルギー体質を助長する大気汚染や住宅環境、食生活などの外的環境の問題と、過敏な免疫反応の引き金となるストレスなどの問題があります。
確かに現代医学の治療薬の発達によって、抗アレルギー性の薬の開発で抗ヒスタミン剤やステロイド剤による副作用も少なくなったとはいうものの、これらはあくまで対症療法でしかないので、根本的なアレルギー体質の改善や、本来あるべき健康を取り戻さないかぎり根本的な解決にはなりません。
そのなかで、このレンコンとモーツァルトの音楽療法を提唱するこの著者は、アレルギー体質の改善としての食生活の改善、そのなかでもレンコンの効果を実証され、また音楽療法でも第一人者であるということで、モーツァルトの音楽も紹介されています。
音楽療法というのは、サウンドレゾナンスにも関連しているので興味のあるところなんですが、現在では音楽の持つ医学的な波及効果についてもいろいろ研究がなされているようです。
その効果としては、1.心身症にたいする改善効果 2.がん治療での音楽療法の効果 3.脳神経障害 パーキンソンやアルツハイマー型痴呆症の克服 4.ホルモン系や生理機能への音楽の影響 5.免疫系を活性化する作用 が認められているようです。
花粉症に対するモーツァルトというのは、このストレスなどの交感神経優位の状況に対して、副交感神経を元気付ける、つまりはリラクゼーションの効果があるとされます。
そういう意味で、入浴やアロマテラピーなどのリラクゼーションも効果的です。
こういう文脈で考えていくと、オーラソーマも、単にホワイトポマンダー、という発想だけではなく、オーラソーマを使って、より自然なエネルギーのバランスを取り戻すことや、自分自身を大 切にして、自分自身の時間を過ごすひとつの方法として位置づけることで、花粉症の改善にも役に立つ、と言えそうです。
ストレスの状況はひとそれぞれ違うので、それぞれの状況にあったストレス対策として、オーラソーマを位置づけてみるのも面白いかもしれません。
みなさんも、オーラソーマをどのように自分の生活に生かしていけるのかを考えてみてください。
あるいは、自分はこのように活かしているよ、という報告などがあれば、お知らせくださいね。
また、ここで述べた花粉症のメカニズムや免疫療法について詳しく知りたい方は読んでみて下さいね。
尚 記