なぜ私たちは“虚空”をこんなに恐れるのですか?

なぜ私たちは“虚空”をこんなに恐れるのですか?

    「ハートからのカウンセリング・トレーニング」より
            ラハシャ・フリッチョフ・クラフト博士

       

いわゆる大人になってから、ふと子どものころを懐かしく思いだすことがあります。

誰もがそれほど幸運な子ども時代を送れるとは、かぎらないのかもしれませんね。

それでも多くの人々が子どものころを思いだすときは懐かしくなるようです。

なぜなんでしょうね?

もしかしたら、大人になってからの気ぜわしい時間とはちょっと違った時間を生きていたからではないでしょうか。

子どものころは、まだ未来を心配するほどの過去を持っていません。

思い返す過去もさほど持たないために、それだけ未来を思い描くこともないわけです。

子どものころって、どんなふうに時間をすごしていたんでしょう?

もし、それほど急かされていなければ、ただその瞬間に気づいているだけかもしれませんね。

でも、そうやって生きていたわたしたちも、やがて大人になると、生活のために忙しく仕事をし、やっと時間ができたと思ったら、今度はその自由な時間を何かの娯楽で潰したりするものです。(^_-)

ただ、なにもせずに、ぼんやりしているということができないようです。

ひたすら、今の瞬間にただくつろぐというそのことを避けようとする。

これには、なにか深い理由があるのかもしれませんね。(^_-)

では「ハートからのカウンセリング・トレーニング」からラハシャ博士の見解を聴いてみましょう。

       

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● 源、センター

あなたが虚空から逃れようとせず、またそれをなにかで埋めようとしないでいると──実際、あなたのマインドはそうすることに魅せられるのですが──
あなたは別の次元に臨在していることに気づくでしょう


あまりにそれは自然でドラマチックに感じられないので、マインドはこの次元をとても簡単に見逃してしまいます。

私が今までワークしてきた人々の言葉で、この次元を説明すると「とても安らかな感じがする」、「すべては光だ」、「私はただここにいる」、「鳥の声が鮮明に聞こえる」、「緊張がすべてなくなった」、「ありがたさを感じる」、「愛があふれている」……などに表現されます。

これは、再発見されたあなたの家であり、あなたの真の本性なのです。
そこは、あなたが生まれた故郷である一なる状態です。
あなたが一生かけて探してきたものであり、それはあなたに発見されることを待ち続けて、いつもここにありました。


奇妙なことに、あなたが人生の大半をかけて避けようとしてきたものの、まさに中心にそれを再発見するのです!(中略)

 なぜ中心にとどまることが、そんなにたいへんなのでしょうか?

どうして、あなたはとどまらなければならないのでしょうか? 
ここに大きな誤解があります。
あなたはすでに中心に、意識そのものの中にいるのです。
この「なぜ」という質問を通して、自己の神聖な本質を発見する準備はあなたにできていますか? 
もし、あなたにその準備ができているなら、それはなんと驚くべきことでしょう。
あなたはいつもここにいるのです。

これがあなたの真の姿です。
あなたが中心です。
あなたであるところのものが一切を包括しています。
そのひとつでも否定しようとすることが分離です。
中心はその周辺にあるものすべてを包括しているのです。

 なぜ私たちは“虚空”をこんなに恐れるのですか?

虚空は、あなたのアイデンティティの死滅です。
あなたが心身の層のどこかで、同一化しているかぎり、それは偽のアイデンティティです。
虚空に入ることでその手のアイデンティティは消えてしまいます。
あなたが死を恐れるのはそのためです。

虚空の向こうに突き抜ければ、あなたは生まれ変わります。
ラマナ・マハリシがしたように、死の中へと手放せばわかるでしょう。

ラマナ・マハリシは、インドの美しい賢者でした。

 


彼は「私は誰か?」と自分自身に問いかける、この単一の技法を編みだしました。
十七歳のとき、彼は死の恐怖に圧倒されました。
ただちに、死はいついかなるときにも起こりうるものだと理解したのです。
「五十年のうちに起こるかもしれないし、もしかしたらそれより早いかもしれない、それならそれを体験してみよう」

彼は、床の上に横たわり「オーケー、じゃあ死んでみよう」とつぶやきました。
そして、彼はできるかぎりの体験をしました。
彼は肉体を離れ、死に、自分の肉体が火葬場の薪まで運ばれることを想像しました。
続いて、彼は身体が焼かれて灰になるところを想像しました。
すると驚いたことに、彼はまだそこに存在していたのです。
彼は自分自身が、それらすべての背後にある意識であることを理解して大笑いしました。
意識は、いつもそこにあったのです。

とはいえ、死の恐怖に直面し、正体を明かしていく必要があります。
私がすばらしいモデルを提示して見せることはできますが、そんなものは役に立たないと思いませんか? 
私の教えは本棚のきれいな本にはなりえますが、そこに置いておくだけでは役に立ちません。
どうか、それを自分で使って実験してみてください。

       
『リビング・エナジー』Vol.6(p38-39)
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【虚空は、あなたのアイデンティティの死滅です】……。

ただ今の瞬間にくつろいでいると、いわゆる“自分”の人生がただの作り話だったことがわかってしまうのかもしれません。

それが恐ろしくて、そんなふうにならないようにと、わたしたちの自我は懸命に次から次と新たにわき起こる想念に注意を引こうとするのかもしれません。

自我は自我なりに頑張っているわけですね。(*^_^*)

pari 記

 

 



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