鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【草色】くさいろ≫

4月になり、春真っ盛りですね。

日本の春の恵みのひとつにヨモギがあります。

ヨモギは日本の野草を代表する、いわばハーブの女王です。

3月から5月ごろ、野原や道端などあちこちでヨモギを見かけます。

ヨモギは昔、邪気を祓う魔除けの力があると考えられていました。

ヨモギの語源は「善萌草」つまり、よく萌え出る草。

春になると、葉が盛んに萌えいずる様子からきています。

または「善燃草」ヨモギはお灸に使うもぐさの材料で、よく燃えることからきています。

ところで、ヨモギの学名をご存知ですか。

「Artemisia princeps」と言います。

文字から想像がつくと思いますが、ギリシャ神話の女神アルテミスが由来です。

アルテミスはゼウスの娘のひとりで、アポロンとは双子のきょうだいです。

アルテミスは狩猟の女神であり、月の女神でもあります。

ローマの神話では月の女神ダイアナとして知られています。

またアルテミスは処女神であり、貞淑を司る存在です。

オーラソーマのボトルに「アルテミス」のボトルがありますね。

B80 レッド/ピンク


https://artbeing.com/aura-soma/equi/B080.html

ヨモギの草の色から見るとレッドは補色です。

しかし、レッドが「目覚め」を表す色であることは、ヨモギの萌え出るはじまりの季節「春」を連想させます。

ヨモギはハーブの女王と言いましたが、知れば知るほど優れた存在であることがわかります。

ヨモギの新芽を擦りつぶして練り込み、草餅やよもぎ団子にして食べるのはよく知られています。

料理ならおひたしなど、食用として重宝な野草です。

他に、薬草としてとても優秀です。

たとえば止血、腹痛、喘息などに効果があるそうです。

薬草酒にしたり、薬草風呂、化粧品などにも用いられてきました。

韓国で産後ケアの民間療法だった「よもぎ蒸し」は、日本でも普及し、今や女性向けサロンでは温活の定番メニューです。

こんなに身近にありながら、数多くの効能をもつヨモギ。

もっと私たちの生活に取り入れたいものですが、注意する点があるそうです。

身近であるが故になのですが、採取場所には注意が必要です。

ペットのフンや排気ガスなどの影響がない衛生的な場所かどうか。

そして除草剤や農薬などが撒かれていないかも重要です。

もうひとつの注意点として、毒性のあるトリカブトと似ているので、それと見分ける必要があります。

このようなことに注意して、春の恵みを楽しんでいただきたいと切に思います。

最後になりましたが、ヨモギにまつわる日本の色名として「草色」を選びました。

まあそのまんまなのですが、強い黄緑色。

若草が濃くなった状態をイメージしてみてください。

植物に見られる緑色の代表のような色です。

ほどよくくすんでいて、着物などに使うと他の色との相性が良い緑色です。

自然のなかで植物の色が調和しているのと同じですね。

いつも自然は私たちのお手本です。

鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

また、シンガーソングライターの一面も持っています。
6月に初のオリジナルアルバムのCDをリリースしました。
作詞作曲はもとより、ジャケットのイラストも自身の作品です。

 

「烏兎匆匆」
全7曲入り/1500円(税込)
こちらからオンラインで購入できます。
https://reiko-ayusawa.com/
当分の間、送料無料です。

 

色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/2134