B14 新しい時代の叡智 その2
タロットカードは「節制」についてです。
「節制」というと、健康のために酒やたばこを節制するというような言葉があるように、欲望を抑えて度を超さないようにする、という意味がありますが、このタロットの「節制」というのはどういう意味なのでしょうか?
例によって、オーラソーマの「節制」(Temperance)タロットカードを見てみましょう。
http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B014.html
虹色の光に包まれて、ゴールドの翼を持った天使が、二つの壺を持って、ひとつの壺からもうひとつの壺に水を移しています。 その壺の背後には陰陽のシンボル陰陽太極図、が書かれています。 ゴールドの壺には太陽の光、ブルーの壺には三日月が描かれています。
そして天使の額、第三の眼からは光が放射されています。
左足を水につけ、右足を大地につけています。
そしてその脇にはアヤメ、アイリス(IRIS)の花が咲いています。
川には白鳥が泳ぎ、遠くに山の裾野があり、その脇にこのカードの星座の射手座を象徴する半人半馬のケンタウルスがたたずんでいます。
これらのシンボルは何を物語っているのでしょうか?
まずはこの図の中心に描かれている二つの容器には何が入っていて、この天使は何をしているのでしょうか?
この液体は、背後の陰陽の太極図に象徴されているように、水とワイン、肉と霊、女性性と男性性、天と地、善と悪、内面と外面、意識と無意識、死と生などの太極を象徴し、天使はそれらの太極となるものを混ぜ合わせているようです。 液体は流動性を表し、変化を意味します。
天使は目を閉じ、第三の目が輝いています。
第三の目は最高の意識の座、覚醒した意識のサインでもあり、ものごとの二元性を観照する目でもあります。
この世に起こるものごとはすべてに二面性があります。陰陽のバランスで成り立っています。
天使はそれらのものごとの二面性を内なる目、内なる静けさの中で観照しています。
いってみれば、それは台風の目のようなもので、周りには嵐が吹き荒れ、ものごとが対立し、葛藤していても、内なる中心では静かです。
目を閉じ、覚醒した意識でものごとの二元性に気づきをもたらし、内なる中心に入れば、右の極端に走ることもなく、左の極端に走ることもなく、そのちょうど中庸の、調和とバランスのとれた状態にいることができます。
そうすることで自然と「節制」がそこにあることになります。
またこの図は、天使が対極のものを統合することによってさらに高次の純粋なものをつくりだす「錬金術」として見ることもできます。異種の異なる要素を統合するプロセスを表しています。
タロットの名前に由来する「Temper」という言葉には「混合したり調合することにより適正で望ましい状態を作りだす」という意味もあります。
異種のものから別の第三のものを作りだすことは、創造することでもあり、新しくものごとを生みだすことでもあります。 そしてまたそこに眠っている可能性から新たな潜在的能力を目覚めさせる行為ともいえます。
またこの図には地水火風の四つの要素が描かれています。
水と大地は明らかですが、天使の翼が風を表し、太陽の光が火を表します。
天使がこれらの宇宙を構成する地水火風の四大元素を司っていると見る説もあります。
1番のタロットカードである魔術師では人間が四つの元素を操ろうとしていました。
http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B001.html
しかし、ここでは人間よりも進化した存在である天使、より意識的になり、覚醒した意識の持ち主がこれらの四つの要素を融合させている姿が描かれているともいえます。
また前回の13番のカードとの関係で見ると、前回のカードは「死」でした。
http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B013.html
それとの関係で見ると、このカードでは再生のプロセスが現れています。
対極のものを統合するプロセスである錬金術は大きな変化(死)の結果として可能となるものであり、内面の大きな変化(死)によって新しく生まれ変わることが可能となってきます。
例えば大きな破綻を体験したあと、新しい自分に生まれ変わって、自分を再生していくということです。
そのような視点から見ると、天使の壺の液体は生命エネルギーを表し、13番で死の浄化作用を通過した再生したエネルギーが、それ自身の生命力として、尽きることのないいのちの源から湧き出て、新たな壺に注ぎ込まれているようです。
エネルギーは高いところから低いところに流れるように、太陽の壺から新しいいのちの創造的エネルギーが流れ出している様子が描かれています。
再生したエネルギーが死から生まれ変わった存在として、新しい気づきとともに流れはじめています。
アイリスはヨーロッパでは王家や貴族の文様に使われる花で、ギリシャ神話に登場するイリスと語源が同じで、虹を意味するギリシャ語です。
虹は架け橋を意味し、天使は神と人間、天と地を結ぶ架け橋となっています。
水は無意識や女性性を表し、大地は意識や男性性を表し、天使は左足を水につけ、右足を大地につけています。
白鳥は醜いアヒルの子から白鳥へと変容し、美しい姿に変身した姿を象徴しているのでしょう。
ゴールドの色の川は真の自分自身、個性化のプロセスを表し、真の自分自身を生きる姿を、ゴールドの川を泳ぐ白鳥に象徴されているのかもしれません。
みなさんはこのタロットからどのような意味を見いだされますでしょうか?
・・・というわけで、以下のリンクより今日のメッセージをもらってみましょう。
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