「本当にお世話になりました」
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』:「11 大会」から ヴィッキー・ウォール
それがいったい何のためのものかを販売者自身も知らないうちから、人の目に触れたバランスボトルたちは勝手に売れていきます。
まるで買い手のほうが、その用途を知っているかのようなのです。
かえって、それをどう使っているのかを知るために、売り手が買い手に声をかけるほどだったなんて面白いですね。^^;
そしてスブドの国際大会が終わらないうちから、ヴィッキーさんたちのもとに、じょじょにバランスボトルの評判が届きはじめます。
きっとその評判はヴィッキーさんたちの耳に届かないところでさらに広がっていっていたのでしょう。
きっとバランスボトル自体がスピリチュアルな道を求める人たちの間で広がるという自らの仕事をしていたのかもしれませんね。
買い手たちにはいったいどんなことが起こっていたのでしょうね?
——————————————————————– 大会は町の中心から離れたところで開催されていたので、多くの訪問者にとって、買物に行くのは困難でした。 そのため、人々は大会で提供されているものをフルに利用することになり、私たちのスタンドも、その例外ではありませんでした。 それまでに噂は広まり、助けを求める人たちが集まってきていましたが、この人たちは、非常にスピリチュアルで、とてもレベルが高く、自然治癒を信じていました。
ある女の人が後ろから、私の首を突き通すような熱意と愛のエネルギーを送っています。 私が振り向くと、彼女は私の手を取り、いつまでも放そうとせず、誠意のこもった声で言いました。
「本当にお世話になりました」
私は黙って、次の言葉を待ちました。
「おかげさまで、すっかりよくなったんです」
話によると、彼女は目の横に痛いおできを持っていて、それが徐々に大きくなり、ついにはまぶたを開けるのにも差し障るようになってきた、とのこと。 場所が場所だけに、手術をするのも怖かったのです。 それが、少し前に「レスキュー」オイル(当時は、その名前もなかったのですが)を買っていって、パンフレットにある通り、純粋に美容オイルとして顔に塗っていたところ、四日目に、奇跡的におできは消えたというのです。
彼女がそのヒーリングを、私のおかげだと思っているのか、あるいはオイルのおかげだと思っているのか、あるいは両方か、よく分からなかったものの、ともあれよかったと私も喜びました。 彼女は残りの会期中、私たちのスタンドを訪れては、あれやこれや熱心に手伝いを申し出てくれ、限りない感謝の念を表してくれました。
「インポテンツには、お勧めはありますか」
と聞いてきたある男性は、レッドとゴールドに惹かれ、結局、30本ものボトルとともに、よろよろしながら帰っていきました。 きっと、楽しい時を過ごしたことでしょう!
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p89-90) ——————————————————————–
バランスボトルを塗っておできが治ったというような話は、もちろん現在ではできませんし、そういう医療的な効能を謳ってもいませんが、ヴィッキーさんの当時はこういう話がよくあったようです。
また、薬剤師の仕事をしていたヴィッキーさん自身にとっても、それもまた癒やしのひとつの形であり、そういう話はそれほど縁遠い世界ではなかったのでしょうね。
こういう常識は、時代によってずいぶん変わるものですね。
pari 記