失敗作の「バランス」ボトル

失敗作の「バランス」ボトル
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』:「11 大会」から                         ヴィッキー・ウォール
        瞑想のなかで「水を分けなさい」という言葉を聞き、そしてある夜まるで誰かの手に導かれるようにしてバランスボトルは誕生しました。
それは相変わらず何のためのものかはわかりませんでした。
でもいちどバランスボトルの最初の形が現れると、ヴィッキーさんはまるで突き動かされるように次々と新しい組み合わせを産んでいったようです。
それが何かはわからないにしても、とにかく成分は天然のものだったので、それがオイルと植物のエッセンスがすばらしいバランスで乳化したものであることだけは確かでした。 なのでヴィッキーさんはそれが完璧な美容オイルだと信じていたようです。
と同時に、ヴィッキーさんはそれが間違いなく遥か遠い過去からの知識が再び現れたものであることを、疑っていませんでした。
それはスブドの世界大会は二週間後に迫った、何もかもが急転直下の勢いで突き進んでいる状況のなかで起こったことでした。
こうして、それが何かわからぬままに、バランスボトルははじめて世間の人の目に触れる場所へと導かれていくわけです。
そしていよいよスブドの世界大会が開幕します。
        ——————————————————————– スブド世界大会の初日は、きれいに晴れ上がりました。 私たちのスタンドの割り当ては、巨大なテントの出入口の近くにあり、テントの入り口の幕がちゃんと留められているのを確認し、私は秘かに感謝しました。 というのも、もし閉じ込められたらと思うと、怖くてならなったからです。 これは間違いなく過去生の経験の名残でしょう。 それは八月で、テントの隙間からまぶしい光がもれてきていました。
私たちは周りのプロたちとは違い、専門的な小道具などなしで、できるだけ見栄えがよくなるように、スタンドを設置しました。 実際、用意したものといえば、私の母の、百年近く前のリネンのシーツを掛けた簡単なテーブルだけ。 その上に、友人の店から拝借した長いガラス板を置いて、商品を目立たせようと考えました。 ローラの息子が描いてくれた絵は、私たちのヴィジョンを表し、スタンドの後ろに掲げられましたが、それは開催地がどこであれ、その後も私たちについて回り、各地で称賛と批評の的となりました。
私たちの周りはプロばかりで、大会社らしい優雅な飾りつけや、立て看板やパンフレットがにぎやかにひしめき合っています。 その豪華なこと立派なこと、それに引きかえ私たちの小さなスタンドは、よく土曜に街中で目にする、手作りのジャムや何かを売っている地元のボランティアの屋台のようでした
ローラとミックはまずビン詰めとラベル貼りを終えてから、後で私たちと合流することになっており、私は目が見えないので、テーブルの据え付けなどの主なことは、マーガレットの役となりました。 私は他にこれといった方法がなかったので、失敗作の「バランス」ボトルをガラス板の支えに使ったらどうか、と提案しました
それは霊感とともに受け取った最初の作を、もう一度再現してみようとして失敗したもので、成分は同じはずなのに、どういうわけか濁ってしまい、がっかりする結果に終わったのです。
      『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p79-80)
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【私の母の、百年近く前のリネンのシーツ】というのは、ヴィッキーさんの生母の形見だったのでしょうか……。
ヴィッキーさんは【失敗作の「バランス」ボトルをガラス板の支えに使ったらどうか、と提案しました】が、これがまたこの後に起こることの伏線になるんですよね。(^_-)
pari 記
       
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