「リンカーン・フレーザー・プロダクツ」
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』:「9 ゴールド・ヒル」から ヴィッキー・ウォール
ヴィッキーさんが作った「虹色のボトル」たちは、また新たなエネルギーを巻き起こしていくようです。
創造力の源泉がここでふつふつと沸き立っているのですから、それはそうなるしかないのでしょう。
このボトルをローラたちのスブドのグループの資産とすることが決まったその折も折、同時に当時ウィンザーで開催されることになっていたスブド世界大会に出店する話が持ち上がったらしいのです。
こういう事態が勝手に進展していくときのスピード感は、通常の時間とはまったく違うものですよね。
そしてこんなビジネスが絡むような規模の話になると、当時はやはり男性が登場してくることになったようです。
どうやらヴィッキーさんは穏やかな引退生活どころではなくなっていくようです。
事態はヴィッキーさんたちの思惑を超えて広がっていきますが、ヴィッキーさんは果敢にその流れに乗っていきます。
もしかすると、ヴィッキーさんの方が事態を引き寄せているのかもしれませんね。
そうこうする内に、ヴィッキーさんが予想だにしない新たなクライマックスが密かに胚胎していたようです。
——————————————————————– そして青天の霹靂のごとく、一九八三年の八月にウィンザーで開催されるスブド世界大会に出店しないかと、ローラに話がありました。 それはバパックによる壮大なイベントで、会期は二週間、そして少なくとも二千人のメンバーが世界中からやってくるという話。 今まで農場に供給していたほんの数十本のビン詰めに比べれば、桁外れの話です。 今や私たちは、どうやって数千本のボトルを用意するか、真剣に話し合っていました。
さらにローラの夫で、ミックの愛称を持つリンカーン・フレーザーが、この話に一枚噛むことになり、私たちはこの事業を「リンカーン・フレーザー・プロダクツ」と呼ぶことにしました。 それはかなりの量の仕事になると予想はつきましたが、この挑戦を受けて立たないわけにはいきません。 クリームやローション、ハーブやエッセンスを媒体に、長年蓄えた直感的な知識を生かす機会が、今またこうして巡ってきたのです。 それをみすみす見逃せましょうか。 はるか昔、調剤室で貴重なクリームが初めて生まれた日の様子がありありとよみがえり、私の胸は高鳴りました。 ただ何もせずにじっと引退生活を送るなんて、私には無理な話、それに、目が見えないことも妨げにはなりません。 私の奥深くにあるものが表現を求め、私はもう一度、生命の流れの中に押しやられたのです。
けれども天の計画がどれほど大きなものか、私にはまだ分かっていませんでした。 これがまさか、時の始めから運命づけられ、学んできたことの頂点になろうとは。
私にとっても未知のものだった「バランス」ボトルが、いよいよ生まれようとしていました。
会議の開催日は刻々と迫り、限られた時間内に、やることは山ほどありました。 ミックは自分の仕事で忙しく、ローラは体調がすぐれず病院通いをしており、マーガレットもあまり具合がよくありませんでした。 すべてのクリームやローションの調合法は私しか知らず、それでこれから何千本というボトルを用意しようというのです。 目の見えない私にはビン詰めとラベル貼りはできませんから、手伝ってくれそうな人には、片端から声をかけることになりました。
こうした騒動の最中、大いなる権威によって、奇跡に満ちたオイルの誕生が決定されました。 ついに時が来たのです。 私は古代の錬金術の論文の中から発見された、オムラーム・ミハイル・イヴァンホフの文を、ここに引用しようと思います。
……ある種のオイルは、奇跡的な特性を持っており、ただ病気を癒す だけではなく、人に力と知恵と美しさとを与える。 このオイルは、太陽光線に含まれている精妙な要素からなり、あらゆ る名で呼ばれている――プラーナ、永遠の命の錬金薬、磁力…… これは将来、研究されるべき全体的な科学の一部となるであろう。
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p74-75) ——————————————————————–
ヴィッキーさんのような霊媒体質の方は、翻弄されるかのように事態に巻き込まれていく時がいちばん大きな働きをするときなのでしょうね。
出演者が自らブレーキをかけること無く事態に対応していくとき、物語は自然に進展していくようです。
いよいよクライマックスに近づいていきますね。
pari 記