虹色のクリーム
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』:「9 ゴールド・ヒル」から ヴィッキー・ウォール
スブドという運動のことは聞いたことがありますか?
インドネシアのバパク・スブドという方から始まった霊的運動ですが、なかでも彼が提唱したラティハンという踊るヨガといった雰囲気の身体運動が有名です。
身体運動と言っても、意識的に身体を動かす運動ではなく、身体がひとりでに動く動きをそのまま許すという主旨の身体運動です。
身体がエネルギーに乗っ取られてひとりでに動き出すのを許すのですが、これが起こるときは身体に蓄積されてきた大きな緊張が解放され、身体が持っている本来の知恵が開花するらしいのです。
バパク・スブドという方はイスラム教徒だったようですが、彼が説いた教えはとても仏教的な知恵だったそうです。
まあ、本来的な知恵には、区別などはないのでしょうが。
ヴィッキーさんたちが入ったローラたちのグループは、このスブドのスピリチュアルムーブメントの流れだったようです。
ローラのグループに入れたことはヴィッキーさんたちにとっては幸運でしたが、しかしローラたちにとっても素晴らしく強力な仲間ができたことを意味したでしょうね。
なにしろ、ヴィッキーさんたちは自立心がありエネルギッシュで有能ですから。
新しい出会いのあるところ、かならずそれにふさわしいドラマが立ち上がるようです。
——————————————————————– 農園は美しい田舎にあり、グループで借りているものでしたが、ほとんどのセンターがそうであるように、維持のための資金繰りに苦労していました。 そこで私も何らかの貢献をしようと、自分のクリームとローションを提供することにしました。 しかし、クリニックのために四十年以上つくり続けていたとはいえ、もう自分ではクリームをうまく注げないので、どうしても誰かに手伝ってもらわなくてはなりません。 そこでグループの誰かに「ヘルパー」になってもらえないかとたずねたところ、返事はなく、オーラを見ると、程度の差はあれ、ちらちらゆらめいています。
「どうしてヘルパーがいるの?」と、ローラは静かにたずね、
「ビンづめのためよ」と、私は事務的に答えたのですが、すると、
「あら」と、ローラは言い、ぷっと吹き出しました。
それから、笑いながら説明してくれたところによると、スブド(インドネシアのジャワに住む神秘家ムハマッド・スブーが始めた霊的運動)で「ヘルパー」というのは、他のメンバーが困難に陥ったときに手を貸すことのできる、経験を積んだ人のことだ、というのです。 いつも頼りになるローラは、さっそく答えてくれました。
「私がやるわ、ヴィッキー」
こうして、すべてが始まったのです。
クリニックで使うクリームは、ずっと白でしたが、
「これに、色をつけられるかしら。 クリニックで使うのと区別するために」
と、ローラはたずねるので、
「どんな色でもできるわよ」と、私は答えました。
「ずらっと、つくりましょう。好きなのを選べるように」
それはわくわくする作業で、いつの間にか私は無我夢中で、色と取り組んでいました。 七色のクリームが私の手によって生まれ、私がそれを、意気揚々として半円形に並べると、
「まあ、完璧な虹じゃない」と、ローラは言いました。
「これ、全部私たちのものにしていい?」
そういうわけで、虹色のクリームやローションが生まれたのです。 最初は一ダースほどの製品を、農園の人たちがぼつぼつと持っていく程度でした。 ローラはそれから、ちょっとした事業を始めようと言い出したのですが、そのアイデアを育ててくれたのは、スブドのリーダーであるバパックで、彼は皆のイニシアチブや冒険心をかきたててくれたのです。
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p71-72) ——————————————————————–
自分本来の能力を発揮できて、ヴィッキーさんの喜びが伝わってくるようですね。
そしてそのエネルギーを大きな動きにするためのマネジメントをできる方もその仲間にいたようです。
ヴィッキーさん、張り切っていますね。
pari 記