この戦争という非常時のなかで、図らずもヴィッキーさんは瀕死の状態にある多くの人々を目にする機会があったようです。
そういう危機状態のなかで、ヴィッキーさんは平時の生活ではめったに目にするはずもない異常なオーラの状態を何度も見かけたのです。
それは、その人の意識体が身体から離れようとする旅立ちの様子でした。
この世での物語が終わり、本来の安らぎのなかに戻ろうとする移行の瞬間です。
ヴィッキーさんが確認したその旅立ちの最後の瞬間は、あたかもこの世の人生という苦難の夢を拭い去るかのように、輝きと安らぎに満ちたものであるようです。
では、その旅立ちの最後の様子をヴィッキーさんの語りでご覧ください。
私は救急車の運転手が、重傷を負って倒れている女性に、自分のコートを脱いで掛けてあげているのを目にしました。
なんと痛ましいことか、彼女は着ているものほとんどを吹き飛ばされ、半裸の哀れな姿を衆目に晒していたのです。
その厚いコートは、彼女の尊厳を守ってあげようというせめてもの心遣いの表れだったのでしょう。
こうした混沌の最中にあって、そんな行為は私の涙を誘いました。
その女性は、どう見ても助かりそうにありません。
若かった私は、とにかく逃げ出したくて仕方ありませんでしたが、そこにいて手を貸せる人は、そうせざるを得ない状態でした。
その女性の場合、オーラは上へとずれて、すでに旅立とうとしているのが分かりました。
ゴールドの輝きはそこにはなく、全体がびりびりに裂け、穴が開き、内側はほとんど真っ暗でしたが、そうやって見ているうちに、ブルーが表れ、縁にゴールドがちらりと見えました。
どうやら、彼方の世界からのお迎えの手が伸びたらしく、次の瞬間には、彼女の顔はすっと安らかになり、そんな彼女めがけてえもいわれぬほど美しい虹色の滝が落ちてきました。
彼女は今、休息へと招かれ、そしてそこで次の人生の準備をすることでしょう。
極彩色の滝を見たのはそれが初めてのことで、不思議な感じがしましたが、後になって重い冠状動脈血栓の発作で危うく命を落としかけたとき、やはりそういうものが現れました。
そのとき私は、花の咲き乱れた庭と、普通地上では見ることのできない輝きに満ちた色とりどりの虹色の滝を見たのです。
そして、その後も何度か似たような体験をし、だんだんその体験に確信を持つようになっていきました。
人は時として、自分の見たものを疑うことがありますから。
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p277-278)
【どうやら、彼方の世界からのお迎えの手が伸びたらしく、次の瞬間には、彼女の顔はすっと安らかになり、そんな彼女めがけてえもいわれぬほど美しい虹色の滝が落ちてきました】
この世の苦難も、それを癒やすかのごとき美しい安らぎの瞬間も、すべてが意識が見ている夢の一場面なのかもしれませんね。
pari 記