あなたが体験したいと望むことを

あなたが体験したいと望むことを
世界の親愛なる友へ「人類はひとつ――愛こそがメッセージ」 2001年9月11日(アメリカで起きた同時多発テロに際して) ダライ・ラマ
            ・・・からの抜粋
        考えてみると、今年(2010年)はもう911を過ぎたんですね。
直近の人類の歴史のなかでは、きわだって印象的な、そしてそれが人災であったという意味も含めて、とても大きな転換点をとなった出来事でした。
人類の集合意識に刷り込むように流されたあのツインタワー崩壊の映像を、あのとき世界中のテレビ受像器が映しだしていたんですよね。
あのとき、自分がどんな状況にいて、どんな思いであの映像を見たか、憶えていらっしゃいますか?
たぶんこれから歴史は、“人災”の具体的意味合いを訂正していくでしょうが、でもあれが一種の“悪意”の創造物であったことは間違いないでしょう。
しかし、あの映像によって喚起された思い自体は、まさにそれを見た個々人でまったく違ったものだったことも事実だと思います。
その意味では、出来事というものは、それ自体のなかには固有の意味をもっていないのかもしれません。
たとえば、今回ご紹介する記事は、911の当日に発表されたチベット仏教の総帥ダライ・ラマのメッセージです。
特別の方の談話として棚上げするのではなく、試みに自分と同じ人間の言葉として聴いてみる、なかなか新鮮な心に響くメッセージにもなるようです。
        ——————————————————————–
あなたが体験したいと望むことを
今日起きた出来事は、思慮ある人に、今継続している日常生活を中断し、人生という大いなる問いについて深く考えさせることになりました。
これを創り出したのは私たちであることを思うとき、自分の人生の意味のみならず、私たちの個人的、集合的経験の目的をも再び見直すべきものです。
二度とこのようなことが再び起こらないためにも、私たちは人類として私たち自身のあり方を再創造していくということを、真剣に探し求めていかなければなりません。
……(中略)……
大部分の霊的伝統の中心となる教えは、あなたが体験したいと望むことを、他の人に提供しなさい、ということです。 今、あなたが自分の人生で、そしてこの世界で、体験したいことは何なのか見つけてください。 それから、あなたがそのことをしてあげられる人がいないかどうかを見てください。 もし、あなたが平安を体験したいと望むのなら、他の人にその平安を提供してください。 あなたが自分が安全であることを知りたいと願うのなら、他の人々に安全であることを知らせてあげてください。 もしあなたが、見かけでは理解しがたいような事柄をもっと良く理解したいのなら、他の人がもっと良く理解できるよう助けてあげてください。 もしあなたが自分の悲しみや怒りを癒したいのであれば、他の人の悲しみや怒りを癒してあげようと努めてください。 それらの人々は、今あなたを待ち望んでいるのです。 彼らは今このときにも、あなたの導き、助け、勇気、強さ、理解、確信をあなたに求めているのです。 とりわけ、彼らはあなたに愛を求めているのです。
私の宗教は非常にシンプルです。私の宗教は、親切心なのです。
                 ダライ・ラマ
            『リビング・エナジー』vol.5(p97) ——————————————————————–
なるほど……。
自分がして欲しいことを人にしなさい、というのがイエスのメッセージでもあるとは聞いていましたが、トータルで見ればこれほど確実な天国への道はないですよね。
現在は、地上の宗教の最終局面なのだと聞いたことがあります。
これからは宗教ではなく、宗教性の時代なのだと……。
pari 記
     
Twitterボタン Twitterブログパーツ