シンクロニシティーは二人、またはそれ以上の人の空がひとつになったときに起こります

空がひとつになったときに

   「ハートからのカウンセリング・トレーニング」より   
             ラハシャ・フリッチョフ・クラフト博士

       

私たちは人生を体験するためにたくさんの前提を背負っていますよね。

まずいちばん基本的な前提は、ご存知のとおり、自分はこの身体だ、という前提です。

赤ん坊として誕生として以来、両親や周りの人たちに教え込まれるのは、もっぱらこの“身体が自分だ”という観念です。

だいたい3、4歳ころまでにはこの観念は安定していますから、もういまさらこの身体が自分であることを他の人に教えてもらう必要はありません。

暗闇のなかにひとりで置かれれば、自分とは違う何かである得体の知れない暗闇に取り囲まれて、子どもは恐ろしくなります。

そして少し長じて同年齢の子どもたちに出会うと、ボクはボク、ワタシはワタシなんだから、アンタとは違う、という感覚はすっかり身についています。

まわりの環境から分離していて、他の人間たちとは別の人間だという、この自分という感覚のことを“分離の幻想”と呼ぶとすれば、この“分離の幻想”こそが人生というドラマに参加するための肝心要の基盤です。

そして、その上に、たくさんの記憶に基づいた物語を蓄積して、もうけっして下ろすことのできない自分を抱えるわけです。

もちろん、最初のうちはこれも結構ワクワクドキドキの楽しい冒険なのですが、そのうちこのドラマの前提がとても重荷に感じられてくる状況に陥ることもあります。

時期は人によって違うでしょうね。

わりあい若いうちにそのような悩みを持つ人もいるかもしれませんし、ときには中年、老年という時期のこともあるかもしれません。

あるいは、そんな悩みと無縁なままに一生を過ごす方もいるかもしれません。

まあ、どこかの状況でそんな探求がはじまったとしましょう。

さて、そうなったときに、自分を苦しめているこの“分離の幻想”、いわば“自分と他人の間にある垣根”を超えて、安らぎに至るというようなことは可能でしょうか?

もし可能だとすれば、それはどんなふうに可能なのか?

たくさんの物語の層をそのまま抱擁し、その物語以前の世界にいたるための扉として、ハートは非常に簡単にアクセスできる優れた通路だと教えてくださるのがラハシャ博士です。

では、ラハシャ博士の「ハートからのカウンセリング・トレーニング」から、そのあたりの機微に触れている部分をご紹介しましょう。

       

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●● カウンセリングのはじめにおける第一の事柄

ハートというのは、存在に対してもっともたやすくアクセスできる扉のひとつです。

 


私の主催するトレーニングやリトリートでは、一日がハート瞑想のガイドではじまります。
瞑想中、言葉は自発的に発せられますが、主な内容はほぼ同じです。
忙しいマインドを超えて空(くう)へ、静けさの中へと入っていくのを助けます。

ヒーリングと変容が起こるためには、マインドの中身よりも深いレベルで他者と出会うことができるようになる必要があります。
そして、深いレベルで真に出会うためには、まず自らの内なる深みへと降りていき、空と静けさを見つける必要があります。
それから、他者の空と静けさとのシンクロニシティーへと落ちていきます。

シンクロニシティーは二人、またはそれ以上の人の空がひとつになったときに起こります。
共鳴が存在のレベルで起こりはじめます。
数分間沈黙のうちにともに坐って内側へと入っていくことは、出会いをはじめる方法としてとてもよいでしょう。(中略)

その人にとって唯一必要なことは、
ありのままでいて、そのありのままに
愛のこもった気づきをもたらすことです。


あなたが少しでも相手のなにかが間違っていると思うとき、それはあなたがシンクロニシティーの中にいないことを示しています。
あなたは自分の戦略と防衛の層の罠にはまって、もしかしたら、かすかに優越感を感じているのかもしれません。
そうすると、あなたはその層で相手と出会い、相手はかすかに劣等感を感じることでしょう。

二人は関係性のパターンから行動し、もしかしたら言い争いになってしまうかもしれません。
それではヒーリングは不可能です。
どちらかが、もしくは二人ともが正しくあろうとしているかもしれないし、両者がお互いに他者を変えようとしているかもしれません。

相手のなにかを変えたいと思っていることに気づいたら、ただそれをやめて、ただちに自分の中心に、自己の深みへと向かってください。
内なる虚空のなかにくつろぎ、しばらくなにもしないでください。
それは存在を引きよせるすばらしい力になります。
相手のなかの存在が応答します。

そこから、あなたは相手の存在が完全であることを知ることができ、どの層のなかにいたとしても、現に今あるがままの相手を抱きしめることができます。
そのシンクロニシティーのなかで、問題への強い同一化が緩みはじめます。


『リビング・エナジー』Vol.6(p36-37)
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【ヒーリングと変容が起こるためには、マインドの中身よりも深いレベルで他者と出会うことができるようになる必要があります】

【シンクロニシティーは二人、またはそれ以上の人の空がひとつになったときに起こります】

この空っぽの空間ではじめて自分という物語への同一化が緩みはじめるのでしょうね。

pari 記

 

 

★ラハシャ博士の「ハートからのカウンセリング」の詳細はこちらよりご覧ください。

http://oejbooks.com/products/dtl_10.html

 

 



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