大天使ガブリエル

大天使ガブリエル
「大天使」より  
       文化伝統とか物語にはすべて古いものが尊重されるところがあります。
なぜなら今があるのは過去があるからであり、その過去の物語が積み重なって現在の現実を作っており、また未来をも作ることになると感じられているからです。
過去の経緯を受け継がなければ現在の立場はありえず、現在の立場がなければ未来に送るものもありえないのは自明です。
だから人は、自分はいったい何者なのかと思ったとき、自分の血族の先祖のことが知りたくなったりするわけですよね。
しかし当然のことですが、伝統や物語にはすべてその物語に関わった人たちという時間的なまた空間的な特殊性があるでしょうね。
それはある意味では、その物語を地域性とか地方性によって制限することになります。
つまり、色濃く物語を反映すればするほど、その伝統や物語は普遍性とはかけ離れていくということでもあります。
もし、そのような地域性を持った文化伝統を“絶対の真理”と主張するなら、同様の主張をする別の文化伝統と対立葛藤することになりかねません。
今地球ではそのようなさまざまな宗教や文化伝統がすべて表面に浮上してきて、互いに相手を認め合わなければならない時点に来ているのかもしれません。
それぞれの文化伝統のシンボルは、いろいろな連想の文脈を持っているものです。
そういうシンボルを知っていくことは、昔で言うなら、旅をして別の宿場や別の町、あるいは別の国に入って、その街の氏神様を知るようなことなのかもしれません。
西洋世界の二番目の大天使ガブリエルは、天国の四つの門を護る大天使のなかで唯一女性の天使だったようです。
       —————————————————————— 大天使
上方下方を無数の星に取り巻かれた天上の国には4つ開かれた門がある。 第一の門に立つのは手にした剣を高々とかざし、勇気に輝く顔を持つ意気揚々たる大天使。 彼の名はミカエル、純化の天使である。 第二の門に光輝く大天使が現れる。 その唇には優しい笑みが浮かび7つの大輪をつけた百合を手にしている。 彼女は天上の草地に輝く星に囲まれて立つ。 彼女の名はガブリエル、愛の天使である。 第三の門には聖杯を手にし頭上に輝くオーラを頂いた晴れやかな大天使が立っている。 彼の名はラファエル、癒しの天使である。 第四の門には暗い塔やドームを背にして地球を見下ろす大天使がいる。 頭上に光と星の輝きの王冠を戴き、彼の手からは祝福を与える花びらが降り注がれている。彼の名はウリエル、美の天使。
ガブリエル 統治する者―愛の使者―
大天使ガブリエル
ガブリエルの象徴は処女懐胎の徴でもある百合とされる。 人類にこの深遠なる神秘をもたらしたことがガブリエルの宣教の最高の使命である。 百合(リリー)は純粋さの象徴とされる。 リリー・ボディーとは高次の伝授を受けた存在が処女懐胎で宿った肉体を指す。 ガブリエルは優しさ、幸運、慈悲、愛の天使であり、冬至の祭の守護神でもある。
彼女は友人、家族、恩人の枠をこえて、敵さえも受け入れる愛の意識の拡張の教えをもたらす。 全ての人種、信条、宗派を受け入れる大きな愛。 全ての人間の人格の中に宿る神聖なる本質に対する真正な認識に基づいた、媚ることの無い愛。 地上の全ての人間が兄弟姉妹であり世界中が我が家であると心からいうことの出来る人。 聖パウロは宣言している、「最後に残るのは信仰と希望と愛である。だがその中で最も偉大なるものは愛である。」
ガブリエルは神の左手に座す。 彼女はコーランの全てをモハメッドに口述筆記させたことから真実の天使ともされている。 ジャンヌ・ダルクによれば皇太子を助けるようにオルレアンの乙女を説得したのはガブリエルだった。 ガブリエルはダニエルのところに現れて救世主がやって来ることを告げた。 彼女はザカリアスに洗礼者ヨハネの到来を知らせ、そしてマリアの前に受胎告知のために現れた。
第一天国の統治者である故にガブリエルは人間に一番近い。
        『リビング・エナジー』Vol.2(p65)
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なるほど。
【ガブリエルの象徴は処女懐胎の徴でもある百合】……。
西洋人のリリーにはそういうシンボリックな意味が付随しているんですね。
大天使ガブリエルとは、恩讐の彼方の天使だったとは……。
pari 記
       
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