ベントフ氏の 超意識の物理学入門
この本については、はじめて手にとって読んだ(1990年)当時も今も、ある程度内容を理解しているとか、読みこなせているとか言うつもりはまったくありません。(*-_-*)
でも、今手元にある本は第六版なので、この本は1987年の初版以来4年ほどで6回も版を重ねたんですね。 ずいぶん難しい内容の本が売れたんだなと、ちょっと驚くような感じもあります。 といっても、読む人が読んだら、けっして難しい内容ではないのかもしれません。
しかしまた、これがスラスラと読める人は、あまりこんな本を読もうとはしない人かもしれないう感じがします。
というのは、この本に書かれている物理学的な内容は、純物理学的な意味では、元々理系の勉強をなさった方々にはそれほど手に負えない内容ではないかもしれないからです。 と同時に、その物理学的な内容を苦も無く読みこなせるような方は、あまりこの本を読みたがるような方ではないのでは……、という気もします。 引き寄せられる本屋の棚が違うのではないでしょうか。
つまり、この本を買って手にした人の多くは、わたしのようなあまり良くは理解できなかった人だったのではないでしょうかね。(*^_^*) とはいえ、まったく歯が立たなかったという印象が残っているのかというと、そんなことはありません。 雰囲気的には大いに、何事かがわかったような気にもなったわけです。 そういう読後感の理由のひとつは、おそらくこの本の随所に差しはさまれている著者ベントフ氏のちょっと風変わりな挿絵にあるかもしれません。
これらの挿絵にはじつにイメージの喚起力があって、文字の部分は読みこなせなくても、それを見ているだけで、何となくわかったような気にさせてくれるところがあります。
訳者のプラブッダ氏は「訳者あとがき」のなかで、「ベントフ氏のこの著作は時代的なハンディを差し引いても、いまなお十分に意識進化論のすぐれた叩き台になるものではないでしょうか。 本人たちに確かめなければ断言はできませんが、無名時代のフリッチョフ・カプラが、ケン・ウィルバーが、そして六〇年代後半以来のスピリチュアル・ルネッサンスを共有した他の多くの人々が、ベントフ氏のこの本から大きな影響を受けたことはほぼ間違いないと思います」と書いています。 なんだか凄い本みたいでもありますね。
で、その意味の包含を含めて、あらためてよく良く考えてみると、実際になかなか凄い本なんです。
第1章◎音・波・波動 …… 第8章◎宇宙のモデル 第9章◎直感的知識の入手法 第10章◎創造主についての一所見
といった、章タイトルを眺めるだけでも、ハハーン……と言う感じです。(^_-)
中身は、とても簡単に要約できるような本ではないのですが、各章の最後に「要約」という短い文章が配置されています。 ちょっと「第1章」と「第8章」の「要約」を覗いてみましょうか。
——————————————————————– 要約 本章ではいろいろな音の出し方を見た。糸をはじめ他のあらゆる構造体が振動すると、そこに定常波が発生しうる。定常波は糸であれ、板であれ、液体を満たした容器であれ、あるいは血管であれ、どんな構造体のなかでもある“決まった”位置を占める。
運動が最小となる点を波節という。 複数の波を重ね合わせると干渉パターンが生ずる。 写真乾板上にとらられた光波の干渉パターンをホログラムという。 二つのちがった周波数を重ね合わせるとうなりが起こる。 複数の波どうしの足並みのそろった、あるいは位相のそろったふるまいをコヒーレンシーと呼ぶ。 二つの静止点のあいだを周期的・反復的に往復する装置を発振器という。 われわれのからだも一種の発振器である。 位相がそろわずに振動している発振器どうしは、リズム同調作用によって同調する可能性がある。 位相のそろった複数の発振器からなるシステムは共鳴することができる。 われわれのリアリティは、各種の“音”で満たされた波動リアリティである。 われわれはそうした音と音との差異に反応する。(p54-55) 『ベントフ氏の 超意識の物理学入門』 ——————————————————————–
なるほど。
そういうことなのか、という気もします。
では、「第8章◎宇宙のモデル」のほうは、どんな感じか……。
——————————————————————– 要約 われわれの客観的リアリティは、脈動する場の充満した虚空からなっている。 もしそれらの場の脈動をストップさせたら、もとどおりの<絶対>が現れる。 <絶対>においては、対立する極端どうしが和解融合する。これは<創造主>が機能するレベルである。 <創造主>は<彼>の宇宙の計画を立案する。 それが<自然>の法則となり、ゲームのルールとなる。
<彼>の目標は意識の進化である。 <彼>は善悪という対立する力を進化の刺激剤として用いる。 事象マトリックスとは宇宙にある種々の場で、それぞれがわれわれの内分秘腺に特有の効果をおよぼす。 その結果、人類のもっとも影響されやすい部分が一定の予測できるパターンで動くことになる。
ある意識単位(ユニット)が、自分が<創造主>の一部であることを理解するところまで成長すると、<創造主>は意識単位を引き抜いてなにかしら仕事を与える。
最後には、そういう意識は共同創造者にまで成長するだろう。 宇宙の創造は、虚空の一部が分離することからはじまる。 それは光の鞘(さや)によってかたどられた卵形を形成する。 次に、原物質の分極化が起こる。 卵形の両極間に放電が走り、原物質に運動を与える。 中心部のブラック=ホワイトホール核は、宇宙内の全物質の源である。 この宇宙は、もっとずっと大きな構造の中のほんの小さな細胞であるかもしれない。(p241-242) 『ベントフ氏の 超意識の物理学入門』 ——————————————————————–
ふーむ。(-_-)
壮大な話ですねぇ。
あんまりスケールが大きすぎて、感情的に対応しきれないようでもあります。
でもその“壮大さ”の歩留まりを自分に引き寄せて、じっと反芻してみるなら……なんだ……わずかそれだけのことでしかないのか、という感じが起こってこないものでもありません。
(*^_^*)
pari 記
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