ニューアース その13
ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる-/エックハルト・トール ¥2,310 Amazon.co.jp
前回の続きです。
妄想やエゴを終わらせ、どうすれば本当の自分を見つけることができるのかということについて。
エックハルトは次のように言っています。
「現在という瞬間を友人としようという決断は、エゴの終わりを意味する」
なぜなら、エゴは決して現在という瞬間と仲良くできないからです。 エゴは「いま」を無視し、抵抗し、貶めるようにできているからです。
エゴが「いま」に対応する方法には三つあります。 未来のための目的の「手段」として対応する、「障害」として対応する、「敵」として対応する。
「いま」を、今よりももっと大事だと考える未来のための「手段」として対応していると、あなたはいつもどこかに行こうとして忙しく、決して「いまここ」に腰を落ち着けることができません。
このパターンがひどくなると、現在という瞬間が克服すべき「障害」のように見えてきます。 現在、人の慢性的ないらだちや欲求不満、ストレスはこのように生じてきます。
こうなると人生は「問題」で問題を解決しなければ幸せになれず、満たされず、本当に生きることができないと思い込んでしまいます。 でも、問題はひとつ解決しても次から次に問題が出てくるので、いつまでたっても問題に終わりがありません。
最悪なのは、現在という瞬間を「敵」として対応することです。 自分がしていることが嫌だとか、状況に不満だとか、起っていることや起ったことを憎んでいるとき、あるいは頭のなかの対話がこうすべきだとかこうすべきでないとい判断や非難や不満であふれているとき、あなたは「あるがままのいま」に反論し、すでにある現在に文句をつけ、人生を敵に仕立てていることになります。
そうすると、外部的な現実は常にあなたの内的な状況の反映なので、あなたは当然敵対的な世界を経験することになります。
では、どうすればそれらのエゴを解消し、本当の自分を見いだせるのか、エックハルトは究極の鍵を教えてくれています。
「無抵抗は宇宙最大の力を開く鍵である。 その力によって意識(スピリット)が形から解放されて自由になる。
(どんな状態、どんな出来事でも)形に対する内なる抵抗は、形の絶対的なリアリティの否定だ。抵抗すると、形への同一化であるエゴを含め、世界と世界のものごとはますます実際よりもリアルに、頑強に永続的に見えてくる。 そうすると形の動きの世界を生存競争と誤解し、その誤解があなたの現実となる」
難しい表現になっていますが、要するに「人生に言い続けてきたノーがイエスに変わるたびに、あるがままの瞬間を受け入れるたびに、あなたは時間とエゴを解体する」ということになります。
ラハシャ博士の「ハートからのカウンセリング」を体験された方はこれがどういうことかはよくわかるかと思います。
「ハートからのカウンセリング」は、まさにこのエックハルトの考えを実証するやりかたです。
エゴの構造とペインボディの原因を明らかにし、「本当の自分を見つける」ことでペインボディやエゴによって作りだされている苦しみや悩みから解放されていくプロセスなのです。
エックハルトは、このプロセスを「夢の中で目覚める」というふうに言っています。 仏陀が言うところの、この世は夢幻の世界だということに気づくことと同じです。
「夢の中で目覚めること」それが私たちの目的であり、それが本当の自分を知ることなのです。
「夢」があるためには、「夢を見る人」が必要です。
「夢」とはこの世界のことで、形がつかの間に演じるドラマのことです。 すべては移ろいゆく相対的な現実です。
この肉体やエゴ、さまざまな出来事、状況や思考、感情、欲望や野心、不安や恐怖、すべてはやってきて、気づかないうちにまたやってきた無へと消え去っていくものです。
「夢見る人」とはそれらの形が現れては去っていく場、絶対的な現実を意味します。そこに夢が現れ、夢を可能にする基盤です。
相対性の影にある絶対性、時間の影にある無時間、形の影にある意識。 つまり、「夢見る人」とは意識そのものであり、それが本当のあなたなのです。
つまり、オーラソーマでいうところの大いなるブルーの意識、それが本当のあなたなのです。
エックハルトは言います。
「生きる歓び(真の幸福はこれだけだ)は、形や所有や達成や人間や出来事を通じてもたらされはしない──起る出来事を通じてもたらされることはあり得ない。その喜びは外からもたらされることは決してない。 それはあなたのなかの形のない次元から、意識そのものから放出されるものであり、したがってあなたと一体だからである」
ユニティインスティチュートでは、そのことを同心円で説明しています。
肉体や出来事や思考や感情、それは同心円の外側の表面的な世界です。それは相対的な世界であり、そのような外側の思考によって引き寄せられる世界は、たとえそれがポジティブな思考によって引き寄せられようとも、相対的な出来事でしかありません。
本当に充実した人生を生きていくには、より本質的なものによって生きていく必要があります。そのことを「内なる引き寄せの法則」「本質の目覚め」によって学んでいきます。
そして、小さなエゴを超えて大いなる存在と調和して生きること、エックハルトの言う「宇宙の力と自分を調和させること」を「シンクロニシティの法則(旧「恩寵の法則」)として学びます。 https://unityinstitute.jp/schedule/booking.cgi?code=120714-16Pr_EL1_f http://unityinstitute.jp/livingyoudestiny/
エックハルトの「ニューアース」も、オーラソーマの世界も、ラハシャの「ハートからのカウンセリング」も、ユニティインスティチュートの学びも、それらはすべて「本当の自分」を知る試みなのです。
それは形のある世界と形のない世界、目に見える世界と目に見えない世界の両方に気づいていくことによってなされます。
エックハルトは言います。
「あな たが見て、聞いて、感じて、触れて、考えることはすべて、いわば現実の半面でしかない。形だ。
空間がすべてのモノの存在を可能にするように、また静寂がなければ音もあり得ないように、あなたも大切な本質である形のない側面なしには存在できないはずだ。私はそれを「大いなる存在(Being)」と呼びたい。
「大いなる存在(Being)」は物事の存在に先行する。 物事の存在とは形であり、中身であり「起っていること」だ。 物事の存在は生命(人生)の前景で、「大いなる存在(Being)」はいわば生命(人生)の背景にあたる」
「ほんとうの自分」とは小さなエゴではなく、「大いなる存在(Being)」なのです。
「私は誰か?」それは大いなる存在からの問いかけなのです。
尚 記
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