ボトルは、ちゃんと語りかけていた
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』:「11 大会」から ヴィッキー・ウォール
スブドの国際大会の初日、なんと合計6本もの濁ったボトルが売れたのだそうです。(@_@)
最初のあの女性が特別な変わり者だったというのではなさそうですね。
しかしこれにはヴィッキーさんも、それから毎回ガラスの陳列台のしたから取り出す作業をしたマーガレットも驚いたでしょうね。
もっとも最後の頃はさすがにマーガレットもくたびれて、いちいちガラスの陳列台の上の商品を、全部並べ直したりはしなかったかもしれませんね。(^^;)
ヴィッキーさんたちはいつも習慣のように、お客さんには「楽しまれてますか」と声をかけていたようです。
すると不思議なことに、濁ったボトルを選んだ人たちは全員、例外なく、当時うつ状態になったり、感情的な危機を体験していたことがわかったのだとか。
こうして、バランスボトルが何のためのものなのか、それが人々にどんなふうに呼びかけているのかが、少しずつ分かりはじめたんですね。
オーラソーマというフィロソフィーの黎明期と言ってもいいでしょうね。
もちろん、他のローションや他のボトルも、当然売れていったわけですが、結局この大会の開催期間の2週間で、140本の濁ったボトルは完全に出払ったのだそうです。
そして最後の頃には濁ったボトルを買ったお客さんには、もう確信を持って、
「最近、感情の危機を体験なさいましたか」
と聞くようになっていたようです。
——————————————————————– そして最終日、元気な若者が姿を見せました。 その頃には、たくさんの奇跡のせいで、私たちのスタンドの周りには人垣ができるようになり、私たち四人は応対に大わらわでしたが、その若い人は、列に並んでいる間に、2本のボトルを選び出していました。 驚いたことに、それは最後の、つまり140番目の濁ったボトルと、それと同じ色の透明なボトルだったのです。 彼はそこに立って、両方のボトルを手にし、そしてまた置き、それから、まるで何かを確かめるように入り口の方へと歩いていき、それからまた戻ってきましたが、やはりまだどちらか、決めかねているようでした。
「どういう訳か」と、彼は美しいボトルを指し、
「僕はこれに惹かれるんだけど、でも、何だかこっち(濁ったボトル)と響き合うものを感じるんですよ」
そして彼は結局、濁った方を選びました。
マーガレットが明るく声をかけました。
「この大会をお楽しみになってますか」
一見、何の悩みもなさそうに見えるけど、と、彼女はいつもの答えを期待しているようでしたが、
「ええ、それはもう」
彼の返事はこうでした。
「すばらしいですね。 僕はもう幸せで、何の不満もありませんよ。 ずっとやりたかった仕事もしてるし、完璧です」
マーガレットと私は、顔を見合わせました。
「私たちの理論もこれまでかしら」
私はぽつっとつぶやきましたが、マーガレットは、動じません。
「お仕事は何ですか」
彼はそれには答えず、首を伸ばして入り口をうかがいました。 そこでは、小さな男の子が、じっと彼を待っているようです。
「ああ、大丈夫だよ」彼は大声で言って、
「ちゃんと待ってる」と、ほっとしたようにつぶやくと、私たちに向かってこう言ったのです。
「僕は、知恵遅れの子供たちと働いてるんですよ」
ボトルは、ちゃんと語りかけていたのです。
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p85-87) ——————————————————————–
なんとねぇ。(*^_^*)
この元気な若者は知的障害者のための施設で仕事をしていたんですね。
きっとボトルを持って帰ったら、そのボトルに惹かれる人たちが寄ってきたでしょうね。
pari 記