ポケット・ポマンダーは生まれました

ポケット・ポマンダーは生まれました

   『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』より
           ヴィッキー・ウォール

        

オーラソーマの創始者ヴィッキーさんが、継母との葛藤に耐えかねて家出したのは16歳のときでした。

あれほどヴィッキーさんに対して優しかったお父さんでしたが、家のことは完全にお継母さんに任せていて、ヴィッキーさんと継母の関係について口を挟むようなことはいっさいしなかったのでしょう。

それにしても、16歳という年齢で家出をするというのは大変なことですよね。

ヴィッキーさんは特にグレて家を飛びだしたというような少女ではないわけですから、なんとかお父さんがヴィッキーさんの窮状に気づいてあげることはできなかったのか、などと思ってしまいます。

しかし、その世界のその時代の価値観というのは、よそから簡単に想像できるようなものではありません。

その世界には、その世界の当然の価値観や空気があったわけでしょうね。

ヴィッキーさんのお父さんは生業こそ労働者でしたが、ユダヤ教の神秘主義であるハシディズムのマスターでもありました。

おそらくそのことが関係あって、とても厳格にユダヤ教の価値観を奉じていた方なのだと思います。

家出したヴィッキーさんは、お父さんの生前には二度と家には入れてもらえなかったそうです。

ヴィッキーさんの言葉から推測されるあの優しいお父さんのイメージとは、ちょっとつながりにくいような感じもあります。

しかし、ヴィッキーさんは生涯このお父さんを敬愛しつづけています。

ヴィッキーさんにとってのお父さんとは、子ども時代に毎週自分をヴィクトリア公園に連れていって薬草のことを教えてくれた、あのお父さんなのでしょうね。

ですから、ヴィッキーさんがハーブの世界に浸る時間は、もしかしたら記憶のなかのお父さんとつながる時間でもあったのかもしれません。

そういう世界のなかで、49種類のハーブのエキスとエッセンスを収集するというようなことが起こったのかもしれません。

では今回は「ポケット・ポマンダー」がどのように生まれたのかを、ヴィッキーさんの言葉で伺ってみましょう。




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21 エッセンス、ポマンダー、クイントエッセンス

   暗い炎がアイン・ゾフの神秘、「無限なるもの」のもっとも内密な部分
   から立ち昇り、蒸気のごとく形なきものから形となり、天球の輪に取り
   巻かれ、白でも黒でもなく、赤でも緑でもなく、他のいずれの色でもな
   かった。炎が形をなしはじめるにつれて、それは色とりどりの光を放ち、
   源はそれによって満たされ、下界のあらゆるものへと広がっていった。
                           『ゾハール』より

薬屋で学んだ知識は、キロポディストになってからも無駄になったり、忘れられることはありませんでした。
私はハーブや花を集め続け、そのエッセンスを抽出し、クリームやローションに使い、そしてそれがのちに「バランス」オイルとなったのです。
キングズ・ランサムではこのために香りの高い植物を育てていましたが、使うのはいつも生きているものだけ、乾燥させたものは決して使いませんでした。
私は父から、こうした生きたエネルギーは、ふさわしい時間帯にしか取ることはできないと教わっていました。
準備のできたものが、もっとも効力を持つのです。
その時間帯とは、太陽が最後のあいさつを告げるときか、まるで祝福のように露が降りるころです。

祈りとともに摘まれた植物は、赤ちゃんのように母なる子宮のなかに置かれ、無条件の愛の媒体となります。
眠りのなかで、まるで子どもがその誕生のときを待つように、彼らも自分のときを待
つのです。
そして時が熟したとき、彼らは新しい命を得、新しく生まれ変わります。

キングズ・ランサムにいる間、私は霊感によって、薬局時代の名残である薬ビンに植物のエッセンスの特別なコレクションをつくりました。
それぞれの薬ビンには、49種類のエキスとエッセンスが入っているのですが、ビンごとに、エキスの割合は異なっています。

キングズ・ランサムを去るときも、私はその「赤ちゃん」を連れて出て、新たなものを加え続けました。
時が来て、自分の目的が果たされるのを、彼らはひたすら待っていましたが、それからもう15年も経とうというころ、「バランス」が生まれ、さらに導きを受け取ったのです。

「この生きたエネルギーを、この植物たちを、世に出しなさい。
 今、彼らの時が来た」


こうして、オーラソーマのポケット・ポマンダーは生まれました。
今では、オリジナルのものに加え、いくつもの種類がありますが、それぞれ違う色を持ち、ほんとうの目的は、これから明らかになっていくことでしょう。

    
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p229-230)
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【私は父から、こうした生きたエネルギーは、ふさわしい時間帯にしか取ることはできないと教わっていました】

【キングズ・ランサムにいる間、私は霊感によって、薬局時代の名残である薬ビンに植物のエッセンスの特別なコレクションをつくりました】

人間の運命というものは不思議なものですね。

pari 記
 

 



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