新生児の湯船にピンクのポマンダー
「オーラソーマと出産」より 古賀直子
私たちはこうして今でこそ自分が人間であることを疑わないわけですが、これって考えてみたらけっこう不思議なことですよね。(^^;)
私たちには自分の身体が誕生する以前の記憶がありません。
この身体が誕生する前に自分がどこにいたのかを知りません。
それに・・・ほんとうにどこかにいたんでしょうか? (*^_^*)
もしかしたら、どこにもいなかったのでは。
それもありえることですよね。(^_-)
でも、とにかく、お母さんのお腹のなかから身体として誕生してきたのでしょう。
そういうふうに聞かされていますし、このごろでは赤ん坊が生まれると昔とは比較にならないほどの数の写真が撮られて記録として残されます。
だから身体がそのようにして生まれてきたことは疑えません。
とはいえ実際は、その写真に写っている新生児のころの自分のことは思いだせません。
でも、ちゃんと写真に残っているのだから、自分はそのときもいたはずだと、あとから思っているだけですよね。
でも、そのときほんとうに自分はいたんでしょうか? (*^_^*)
もしかしたら、身体が誕生してしまったので、その辻褄を合わせるために、大急ぎで自分を構築中だったりして。(^_-)
まあ、それはともかくとして、その新生児のなかにはまだお父さんやお母さんの子どもであるという自覚が存在しないことは確かですよね。
まだ、自分が誰なのかのストーリーを“仕込み中”なのです。
その意味では、シュタイナーが言っているように、人間はとても早産なんですよね。
身体だけがとても早く誕生してしまう。
シュタイナーの説に従うなら、第1七年期(0~7歳)に肉体が誕生し、第2七年期(7~14歳)にエーテル体が誕生し、第3七年期(14~21歳)にアストラル体が誕生し、第4七年期(21~28歳)の感情魂の誕生のはじまり、21歳のころに自我が誕生するのだそうです。
ここで言う自我というのが自覚的な自分の意味だとすれば、それまではまだまだ自分の自覚はないということなのかもしれませんね。
今回は助産師の古賀直子さんのお話をご紹介しようと思って、連想があらぬ方に飛んでしまいました。
では古賀さんの「オーラソーマと出産」から、新生児の湯船にピンクのポマンダーを使ってあげているというお話をご紹介しましょう。
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私が目指しているお産というのは、ただ昔の自然分娩に戻ればいいっていうの
とは少し違うんですね。
お産の現場には、妊婦自身、また夫の胎児期、幼児期から今に至るまでの人生・・・また両者の背後にあるそれぞれの家の無意識的な流れ・・・またそういったたくさんの思いやエネルギーが渦巻いているものです。
それとそのただなかにやってこようとしているその子の魂の目的・・・そういった
ものすべてがひとつに合わさった瞬間に、産道が開いて子どもがでてくるとい
った見方を私はしているんです。
またアクティブ・バースと呼ばれるお産があって、それはお母さんがそのときどきの自分の身体の状態、陣痛の状態なんかを感じて、どういう姿勢で赤ちゃんを生みたいかを模索し、楽なポジションをとって、その格好で産んでゆく・・・立って産んでもいいし、坐って産んでもいいし、四つん這いで産んでもいい・・・そういったお母さんの身体の動きに対する自由度がかなり高いお産なんですが、そのように自由な姿勢で産むというのがまず大前提としてあって、さらにそこに胎児を中心とするコンステレーションが開かれて行くプロセスを読みとってゆくというのかな・・・
そうなってくると助産の仕事というのは、極力お産のプロセスに介入しないこと、何もしないことに全力を尽くすってことが要になってきます・・・なってくるのですが、何もしないってことは、通常よりもはるかに大きなエネルギーを必要とするんですね。
微妙に開かれてゆく誕生のプロセスをひとまわり大きな器で包み込み、見守っ
てゆくことが求められてきますから・・・
そういう意味でも、オーラ・ソーマはほんとうに助けになってくれます・・・
母子と助産婦とそれら全体を包んでいるお産の場を浄化し、保護してくれますから。
ところで話をオーラソーマを使った具体的なケースに戻したいのですが、私は水中出産のサポートなんかもしているので、新生児が産まれてくる湯船のなかにピンクのポマンダーを落としたらいいんじゃないかなぁって感じたことがあるんですね。
http://artbeing.com/aura-soma/pom/P02.html
で、ちょうどそのころマイク・ブース氏が来日中だったので、黒田理恵子さんを
通して尋ねていただいたんです。そしたらやっぱり
「そういうときにはピンクのポマンダーがベストだ」
という答えが返ってきて・・・
無条件の愛の波動が満ちている水のなかに生まれ落ちてくるというのはバース
トラウマの軽減にもつながるでしょうしね・・・
『リビング・エナジー』Vol.5(p91-92)
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【助産の仕事というのは、極力お産のプロセスに介入しないこと、何もしないことに全力を尽くすってことが要になってきます】
お産というひとつの事象をとっても、一方には西洋医学的な無痛分娩の傾向があるようですし、じつにいろいろな選択肢があるんですね。
pari 記